宅建業法-15 監督処分・罰則

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今回は宅建業法15/15回目、テーマは監督処分・罰則です。

独学で宅建士試験の合格を目指す方や、初学者の方にも分かりやすく、楽しく勉強して頂けるよう、ゆるふわ解説を心掛けています。

ご活用頂ければ幸いです。ゆるふわ宅建士   

監督処分・罰則

宅建業法は、宅建業者に免許制度を実施して、その事業に対して必要な規制を行い、購入者等の利益保護、宅地・建物の流通の円滑化を図ることを目的としているよ~。

今回は、宅建業者と宅建士、それぞれに対する監督処分と罰則を解説するね。

せっかく必要な規制を行っても、違反者を放置してちゃ、宅建業法の目的を達成できないもんね!

宅建業者には、① 指示処分・② 業務停止処分・③ 免許取消処分があるよ~。①→②→③の順に重くなるからね。

宅建士には、① 指示処分・② 事務禁止処分・③ 登録消除処分。こっちも①→②→③の順に重くなるよ。

コレ覚えてね!( 1 )

( 宅建業者 ) ① 指示処分 ② 業務停止処分 ③ 免許取消処分

( 宅建士 )  ① 指示処分 ② 事務禁止処分 ③ 登録消除処分

( 宅建業者 )指示処分業務停止処分免許取消処分
処分権者免許権者免許権者免許権者
処分権者管轄地の知事管轄地の知事
聴聞
公告

宅建業者が業務を行った場所を管轄する都道府県知事は、①指示処分・②業務停止処分を行うことができるよ~。

免許取消処分は、その宅建業者に免許を与えた免許権者しか行うことができないってことに、注意しなきゃいけないね。

聴聞は、不利益な処分を受ける者に与えられる、弁明機会。監督処分を行うときは、必ず公開による聴聞が行われるね!

公告は、政府や地方公共団体が、ある事項を広く一般に知らせること。指示処分の場合だけ、公告されないね。

( 宅建士 )指示処分事務禁止処分登録消除処分
処分権者登録権者登録権者登録権者
処分権者管轄地の知事管轄地の知事
聴聞
宅建士証提出返納

宅建士が業務を行った場所を管轄する都道府県知事は、①指示処分・②事務禁止処分を行うことができるよ~。

登録消除処分は、宅建士の資格登録が消されてしまうことで、宅建士の資格登録先の登録権者しか行うことができないね!

宅建業者( A県知事免許 )が、B県内で行った業務に関する監督処分は?

A県知事は、①指示処分・②業務停止処分・③免許取消処分ができます。B県知事は、①指示処分・②業務停止処分ができます。

宅建業者( 大臣免許 )が、C県内で行った業務に関する監督処分は?

国土交通大臣は、①指示処分・②業務停止処分・③免許取消処分ができます。C県知事は、①指示処分・②業務停止処分ができます。

宅建士( D県資格登録 )が、E県内で行った業務に関する監督処分は?

D県知事は、①指示処分・②事務禁止処分・③登録消除処分ができます。E県知事は、①指示処分・②事務禁止処分ができます。

宅建業者 ①指示処分

宅建業者への指示処分は、業務改善命令だよ。宅建業者が取引の関係者に損害を与える行為を行うと、指示処分の対象ね。

 指示処分 業務停止処分免許取消処分
取引の関係者に損害を与える行為
宅建業法・その他の法令に違反
宅建士の処分に関し、宅建業者にも責任

宅建業法・その他の法令に違反した場合も、指示処分の対象。内容によっては、業務停止処分になる可能性もあるからね!

従事する宅建士が監督処分を受けた場合で、宅建業者にも責任があるときは、指示処分の対象になっちゃう…。

宅建業者 ②業務停止処分

宅建業者が以下の事由に該当する行為を行うと、業務停止処分の対象だからね~。業務停止期間は、最長で1年…。

 指示処分 業務停止処分免許取消処分
宅建業法・その他の法令に違反
宅建士の処分に関し、宅建業者にも責任
営業保証金の提供に違反
重要事項説明の義務違反
指示処分に違反

営業保証金の未供託や、重要事項説明の義務違反は、購入者等の利益保護に重大な悪影響を与えるよね。

宅建業者の業務停止処分を検索すると、営業保証金の未供託の件数が、多数を占めてることが分かるよ。

宅建業取引の債権者が、供託所から還付を受けたときに、不足額供託できなかったケースが考えられますね…。

指示処分を受けたにも関わらず、その指示処分違反した場合は、業務停止処分を受けるってことに注意してね~。

重要事項不説明( 7日間 )や、勧誘の継続( 15日間 )、契約書に取引士の記名押印無し( 7日間 )等もあるんだね。

宅建業者 ③免許取消処分

免許取消処分の中で、①・②・③は特に悪質!これを理由に免許取消処分を受けた法人の役員は、5年間欠格事由に該当…。

 指示処分 業務停止処分免許取消処分
不正に宅建業免許を取得
業務停止処分に違反
業務停止処分に該当し、情状が特に重い
宅建業免許の欠格事由に該当
免許取得後1年以内に営業開始しない
1年以上継続して事業を休止
住宅瑕疵担保履行法の一部の規定に違反
宅建業者の事務所不確知
宅建業免許に付せられた条件に違反

①~⑦は、免許権者は必ず免許を取消しないといけないけど、⑧・⑨は、免許を取消することができる、だから気を付けて。

⑧事務所不確知( 倒産? )と、④役員欠格が多いね。会社の宅建業免許が取消されないよう、役員の方は注意しないとダメ。

役員が、危険運転致傷罪で懲役○年( 執行猶予付き )になったら、欠格事由に該当で、会社の宅建業免許は取消ですよ…。

役員が破産手続きの開始決定を受けた場合、宅建業法暴力関係の罪で罰金刑に処せられた場合も、免許取消処分です…。

宅建士 ①指示処分

宅建士は、業務に関して不正・不当な行為を行っちゃダメです~。指示処分の対象だよ。

 指示処分 事務禁止処分登録消除処分
業務に関し不正・不当な行為
宅建士の名義貸し
他社の専任宅建士である旨を表示

宅建士の名義貸し他社の専任宅建士である旨を表示することも、もちろんNG…。

宅建業者の指示処分と同じで、内容によっては、事務禁止処分になる可能性もあるってことだね。

宅建士 ②事務禁止処分

宅建士が、指示処分を受けたにも関わらず、その指示処分違反した場合は、事務禁止処分を受けることになるよ~。

 指示処分 事務禁止処分登録消除処分
業務に関し不正・不当な行為
宅建士の名義貸し
他社の専任宅建士である旨を表示
指示処分に違反

事務禁止処分を受けた宅建士は、登録権者に宅建士証提出しなきゃダメだね…。

手元に宅建士証がないし、事務禁止処分を受けてるから、重要事項の説明を行うことはできないよ。

宅建士 ③登録消除処分

試験に合格→宅建士資格登録→宅建士証の交付だったよね~。登録消除処分を受けると、資格登録が消されちゃいます…。

 指示処分 事務禁止処分登録消除処分
不正に宅建士の資格登録
事務禁止処分に違反
事務禁止処分に該当し、情状が特に重い
宅建士の資格登録の欠格事由に該当

事務禁止処分を受けた宅建士が、禁止期間中に事務を行ったら、登録消除処分を受ける…。

事務禁止処分事由に該当し、情状が特に重い場合は、事務禁止処分じゃなくて、登録消除処分になるからね。

宅建士が登録消除処分を受けた場合は、登録権者に宅建士証返納しなきゃいけないよ~。

事務禁止処分と違って、再度、宅建士の資格登録を受けないと、宅建士証交付請求はできないね。

罰則

宅建業法には、違反者に対する罰則規定があるよ~。それ以外の法令にも罰則規定があるから、法令順守してね。

年以下の懲役・300万円以下の罰金・不正に宅建業免許を取得  ・業務停止処分違反
年以下の懲役・300万円以下の罰金・重要な事実の告知義務違反
年以下の懲役・100万円以下の罰金・高額報酬の要求禁止違反
半年以下の懲役・100万円以下の罰金・誇大広告の禁止違反    ・手付貸与等の禁止違反
        100万円以下の罰金・専任宅建士の設置義務違反 ・報酬額の制限違反
         50万円以下の罰金・標識、従業員名簿、帳簿の設置義務違反
         10万円以下の過料・宅建士証の提示、提出、返納義務違反

○年以下の懲役と、○円以下の罰金は、どちらかではなく、併科( 両方 )となる可能性もあるんだよ。

宅建士に対する罰則は、宅建士証に関するものだね。10万円以下の過料は覚えておいた方が良いかも。

まとめ

宅建業は免許制、宅建士は登録制だから、免許権者・登録権者は監督処分を行うよ~。

宅建業者に対する監督処分は、① 指示・② 業務停止・③ 免許取消で、①→②→③の順に重くなる!

( 宅建業者 )指示処分業務停止処分免許取消処分
処分権者免許権者免許権者免許権者
処分権者管轄地の知事管轄地の知事
聴聞
公告

宅建士に対する監督処分は、① 指示・② 事務禁止・③ 登録消除で、こっちも①→②→③の順に重くなるね!

( 宅建士 )指示処分事務禁止処分登録消除処分
処分権者登録権者登録権者登録権者
処分権者管轄地の知事管轄地の知事
聴聞
宅建士証提出返納

免許取消処分ができるのは免許権者だけ、登録消除処分ができるのは登録権者だけだよ!

監督処分を行うときは、必ず公開による聴聞で弁明の機会が与えられるってことも重要ですよ。

それぞれの処分事由は、表に整理して覚えてね~。欠格事由は何度も出てくるから、復習しておくと良いよ。

インターネット検索すると、宅建業者に行われた監督処分を調べることができるから、一度見ておくことをおすすめするね。

罰則にも気を付けないとね。宅建業法違反ー罰金刑になると、欠格事由に該当するから笑えないよ!

 指示処分 業務停止処分免許取消処分
取引の関係者に損害を与える行為
宅建業法・その他の法令に違反
宅建士の処分に関し、宅建業者にも責任
営業保証金の提供に違反
重要事項説明の義務違反
指示処分に違反
不正に宅建業免許を取得
業務停止処分に違反
業務停止処分に該当し、情状が特に重い
宅建業免許の欠格事由に該当
免許取得後1年以内に営業開始しない
1年以上継続して事業を休止
住宅瑕疵担保履行法の一部の規定に違反
宅建業者の事務所不確知
宅建業免許に付せられた条件に違反
 指示処分 事務禁止処分登録消除処分
業務に関し不正・不当な行為
宅建士の名義貸し
他社の専任宅建士である旨を表示
指示処分に違反
不正に宅建士の資格登録
事務禁止処分に違反
事務禁止処分に該当し、情状が特に重い
宅建士の資格登録の欠格事由に該当

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