宅建業法-5 保証金の供託

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今回は宅建業法5回目/15回、テーマは保証金の供託です。

独学で宅建士試験の合格を目指す方や、初学者の方にも分かりやすく、楽しく勉強して頂けるよう、ゆるふわ解説を心掛けています。

ご活用頂ければ幸いです。ゆるふわ宅建士   

保証金の供託

宅建業法は、宅建業者に免許制度を実施して、その事業に対して必要な規制を行い、購入者等の利益保護、宅地・建物の流通の円滑化を図ることを目的としているよ~。

宅建業免許を取得した宅建業者は、保証金を供託所に供託してからじゃないと、営業開始しちゃダメなんだよ!

供託は、お金を預けるってイメージかな。取引相手は、預けられた保証金から債権回収できるから、購入者等の利益保護だね。

供託には、営業保証金制度と、弁済業務保証金制度の2つがあるよ。テストでは、それぞれの違いが出題されるからね~。

文字数が多いとしんどいよ…。営業保証金制度をA制度弁済業務保証金制度をB制度って呼んで。

コレ覚えてね!( 1 )

( 供託 )

A制度 … 営業保証金制度

B制度 … 弁済業務保証金制度

前半は、誰が、どこに、いくら、保証金を供託しなきゃいけないのかを解説していくね。

後半は、還付手続と取戻手続。還付は、債権者が保証金から弁済を受ける方で、取戻は、預けた保証金を返してもらう方だよ。

2つの制度を比較して覚える必要があるから、ちゃんと整理しないとダメだね~。

保証金制度

▷ 営業保証金制度

A制度では、宅建業者が、営業保証金を供託だよ~。主たる事務所( 本店 )の最寄りの供託所へ、金銭か有価証券で納付ね!

納付額は、本店1000万円、支店1か所につき500万円の合計額だね。有価証券には、評価額があるから気を付けて。

コレ覚えてね!( 2 )

( A制度:営業保証金制度 )

宅建業者が、本店最寄りの供託所へ、営業保証金を供託

本店:1000万円・支店:500万円( 金銭 or 有価証券 )

A制度は、宅建業者が直接、本店最寄りの供託所へ保証金を預けるんだね。本店×1・支店×3なら、2500万円かぁ…。

コレ覚えてね!( 3 )

① 金銭:100% ② 国債:100%

③ 地方債・政府保証債:90% ④ その他の有価証券:80%

金銭と有価証券のミックスでもOKね!地方債1000万円は評価額900万円だから、現金1600万円と合わせて、合計2500万円になるよ。

▷ 弁済業務保証金制度

B制度では、保証協会が、弁済業務保証金を供託だよ~。東京法務局へ、金銭か有価証券で納付ね!

納付額は、本店60万円、支店1か所につき30万円の合計額。B制度も有価証券をミックスさせてもOKだよ。

コレ覚えてね!( 4 )

( B制度:弁済業務保証金制度 )

保証協会が、東京法務局へ、弁済業務保証金を供託

本店:60万円・支店:30万円( 金銭 or 有価証券 )

B制度は、宅建業者じゃなくて、保証協会が東京法務局へ保証金を預けるんだね。その宅建業者の本店×1・支店×3なら、210万円!

B制度を利用するためには、宅建業者は保証協会加入しなきゃダメなんだよ~。保証協会の社員になるって言い方だね。

宅建業者が保証協会に加入する場合、弁済業務保証金分担金を納付する必要があるよ。本店60万円、支店1か所につき30万円!

A制度は、宅建業者( 営業保証金 )→供託所、B制度は、宅建業者( 分担金 )→保証協会( 弁済業務保証金 )→東京法務局!

宅建業者は、A制度かB制度のどちらかの制度で、規定の保証金が供託されている状態にしておかなきゃダメなんだね。

営業保証金はかなり高額だから、保証協会に加入して、B制度を利用している宅建業者の方が圧倒的に多いよ。

保証協会は、国土交通大臣の指定を受けた一般社団法人。集団保証による消費者保護と、宅建業者の負担軽減が目的!

納付者宅建業者宅建業者保証協会
納付先営業保証金
供託所
保証金分担金
保証協会
弁済業務保証金
東京法務局
金額本店:1000万円
支店: 500万円
本店:60万円
支店:30万円
本店:60万円
支店:30万円
方法金銭か有価証券金銭のみ金銭か有価証券

宅建業者が保証協会に加入するときに納付する、弁済業務保証金分担金は、金銭のみなんだね。気を付けないと。

B制度は、宅建業者が納付するのは分担金、保証金を供託するのは保証協会ってところがポイントかな!

供託手続き

▷ 営業保証金制度

A制度は、① 免許取得 → ② 供託 → ③ 届出 → ④ 営業開始だよ~。全て宅建業者がやらなきゃダメですね。

コレ覚えてね!( 5 )

( A制度:営業保証金制度 ) 宅建業者  保証協会

宅建業免許を取得 → ② 営業保証金を供託

免許権者へ届出 → ④ 営業開始

免許権者は、免許後3か月以内に、宅建業者から営業保証金供託の届出がない場合は、届出を催告するよ。

供託の届出がないと、宅建業の免許取消処分なんだね。営業保証金を用意できなかったのかも…。

▷ 弁済業務保証金制度

コレ覚えてね!( 6 )

( B制度:弁済業務保証金制度 ) 宅建業者  保証協会

分担金を納付 → ② 弁済業務保証金を供託

免許権者へ届出

B制度では、① 宅建業者は保証協会に加入するまでに、弁済業務保証金分担金を納付だね~。

② 保証協会は、分担金が納付されてから1週間以内に、弁済業務保証金を東京法務局に供託!

保証協会は、宅建業者から分担金を納付されてるから、1週間あれば東京法務局へ供託できるね。

③ 宅建業者の免許権者には、保証協会が届出してくれる。保証金を預けるのは保証協会だもんね!

事務所増設

▷ 営業保証金制度

供託しなきゃいけない保証金の金額は、事務所によって変わるよね。事務所を増設するなら、保証金を追加だよ~。

コレ覚えてね!( 7 )

( A制度:営業保証金制度 ) 宅建業者  保証協会

増設分の営業保証金を供託 → ② 免許権者へ届出

増設事務所で営業開始

A制度では、① 追加の営業保証金を供託 → ② 免許権者へ届出 → ③ 増設事務所で営業OKだよ。

追加分の営業保証金の供託先は、増設する事務所の最寄りの供託所じゃなくて、主たる事務所の最寄りの供託所!

▷ 弁済業務保証金制度

コレ覚えてね!( 8 )

( B制度:弁済業務保証金制度 ) 宅建業者  保証協会

分担金を納付 → ② 弁済業務保証金を供託

免許権者へ届出

B制度では、① 事務所増設 → ② 保証協会へ分担金を納付 → ③ 保証協会が東京法務局へ弁済業務保証金を供託だよ~。

B制度では、先に事務所増設なんだね。宅建業者は、事務所を増設してから2週間以内に追加の分担金を保証協会へ!

宅建業者は、事務所を増設してから、2週間以内に保証協会へ分担金を納付しないと、保証協会の社員の地位を失っちゃうんだね…。

B制度では、宅建業者が保証協会の加入前に発生した債権も、保証されるって覚えておいてね。後でもう一度出てくるよ。

事務所移転

▷ 営業保証金制度

A制度は、宅建業者の本店が移転して、最寄りの供託所が変更になったら、保証金を移動させなきゃダメよ~。

支店が移転しても関係ない…。本店が移転しても、最寄りの供託所が変わらなかったら、保証金を移動させる必要ないね。

営業保証金を金銭のみで供託していたら、保管替えの請求。。有価証券とミックスしている場合は、二重供託が必要だよ。

コレ覚えてね!( 9 )

( A制度:営業保証金制度 ) 

① 保管替え … 営業保証金が金銭のみ

② 二重供託 … 営業保証金に有価証券が含まれる

保管替えは、営業保証金を供託所AからBに移動するように請求することね。金銭のみだから簡単に移動できる。

② 二重供託は、先に供託所Bへ営業保証金を供託。その後で、供託所Aから供託済の営業保証金の取戻手続きになります~。

一時的に、A・B両方の供託所に、営業保証金が供託されていることになるね。空白期間ができちゃダメ。

▷ 弁済業務保証金制度

B制度の場合は、宅建業者の本店が移転しても、供託している保証金を移動させる手続きは不要だよ。

B制度の供託先は、東京法務局しかないもんね。弁済業務保証金を供託するのは、保証協会ってことも重要!

還付額

▷ 営業保証金制度

預けられている供託金が、債権者に支払われることを還付って言うよ~。債権者=還付権者だね。

還付権者は、その宅建業者と、宅建業に関する取引により生じた債権を有する人だから気を付けてね。

売買代金の返還請求や、債務不履行による損害賠償請求とか。従業員の給料・事業の借入金・広告費用等は対象外ね。

債権者が供託所に還付請求できる額は、無制限じゃないよ。その宅建業者が供託している、営業保証金の範囲内だからね!

本店×1・支店×3なら、1000+500×3だから2500万円!債権が額がそれ以上でも、2500万円までしか還付請求できないってことね。

▷ 弁済業務保証金制度

B制度の場合、債権者が供託所に対して還付請求できる額は、弁済業務保証金を、営業保証金換算した額の範囲内だよ~。

コレ覚えてね!( 10 )

( A制度 )宅建業取引の債権者 営業保証金の範囲内

( B制度 )宅建業取引の債権者 営業保証金への換算額の範囲内

本店×1・支店×3なら、1000+500×3だから2500万円!A制度もB制度も、還付請求できる上限額は一緒だね。

この場合、東京法務局に預けられている弁済業務保証金は…。本店×1・支店×3だから、60+30×3で150万円ね。

もちろん、弁済業務保証金の額を超える債務が発生することもあるよ。宅建業者が債務を免れる訳じゃないからね!

保証金の還付請求先は重要だから、宅建業者は、供託所に関する説明が義務付けられているんだね。

還付手続き

▷ 営業保証金制度

A制度では、債権者が還付請求すると、供託されている営業保証金が規定額より減っちゃうよね~。

① 債権者が供託所へ還付請求。② 供託所は債権者へ還付。還付は供託金が支払われること。供託所は本店の最寄り!

③ 供託所は、その宅建業者業者の免許権者に通知するよ。請求されたから、預かってた営業保証金で支払いましたよ~と。

④ 免許権者は、宅建業者に通知。営業保証金の金額が減っちゃったから、規定額に足りなくなった不足分供託しなさい!と。

⑤ 宅建業者は、本店の最寄りの供託所へ、不足分供託しなきゃ。④ の免許権者から通知を受けてから2週間以内にね!

⑥ 宅建業者は、不足分を供託したことを免許権者に届出だよ。⑤ の供託をしてから2週間以内だから気を付けて。

届出するところまで、しっかりやらないとダメなんだね。2週間で数字も覚えておかないと…。

▷ 弁済業務保証金制度

B制度の還付手続きはちょっと複雑。① 債権者は、保証協会に認証申出、② 保証協会は、債権者に認証からスタートだね~。

③ 債権者が供託所へ還付請求、④ 供託所は債権者へ還付はさっきと同じ。B制度は供託先が東京法務局だね。

⑤ 供託所( 東京法務局 )は、国土交通大臣通知なんだね。請求されたから、債権者支払いましたよ~と。

⑥ 国土交通大臣は、保証協会へ通知、⑦ 保証協会は、東京法務局へ還付された額を納付だね。⑥ → ⑦は2週間以内!

気を付けなきゃいけないのは、供託された弁済業務保証金の中から、債権者に支払われる訳じゃないってことだね~。

⑥ は、○○円還付されたから、それ納付しておいての通知、⑦ 保証協会が納付する金額は、もちろん、還付された額だよ。

弁済業務保証金 < 還付額ってことも全然あり得るね。保証される額は、営業保証金への換算額の範囲内だから。

弁済業務保証金は移動しなくて、東京法務局も保証協会も、債権者への還付額を立て替えてるってイメージかなぁ。

⑧ 保証協会は、その宅建業者に通知するよ~。立て替えたから払いなさいと。これが還付充当金って名前。

⑨ 宅建業者は、保証協会に還付充当金納付しなきゃダメだね。還付充当金は、債権者に支払われた還付額ってことになるよ。

宅建業者は、通知後2週間に還付充当金を納付しないと、保証協会の社員の地位を失う…。退会させられる感じだね。

保証協会の社員の地位を失った宅建業者は、1週間以内に、営業保証金を供託しなければなりません。

B制度が利用できなくなるから、A制度にってことね。還付充当金を納付できないなら、たぶん営業保証金も供託できないよね…。

宅建業を廃業・倒産することになるっぽいね…。問題は、還付額を立て替えた保証協会の資金かなぁ。回収できなくなるかも。

保証協会は、還付充当金の納付がない場合等に備えて、準備金を積み立ててるよ。それでも不足したら、協会員から徴収。

保証協会は、特別弁済業務保証金分担金を、全社員に納付するよう通知。1か月以内に納付しない宅建業者は、退会って感じ。

還付充当金を納付できないケースに備えて、準備金を積み立て。準備金でも穴埋めできないと、特別分担金をみんなから徴収!

関与していない宅建業者も、特別分担金を納付しなきゃ、保証協会の社員の地位を失ってしまうから、A制度になるってことね。

すぐには覚えられないから、図や表をスクショして、ノートに貼り付けてね。ここは2週間以内とか書き込むと良いよ!

取戻手続き

▷ 営業保証金制度

最後が取戻手続きだね~。保証金を供託しておく必要がなくなったら、手続きすれば返してもらえるよ。一部だけもOK!

A制度では、宅建業者が、6か月以上の期間を定めて、債権者が申し出るよう公告、免許権者に届出した後に取戻できるよ。

支店を1つ廃止したときは、500万円を取戻可能だね。債権者が居るかもしれないから、公告でお知らせが必要と。

コレ覚えてね!( 11 )

( A制度:営業保証金制度 ) 取戻事由

・免許の失効 ・事務所の一部廃止

・主たる事務所移転 ・保証協会に加入( 公告不要 )

保証協会に加入すると、弁済業務保証金が供託されるから、公告なしに営業保証金を取戻しても、問題ないんだよ~。

B制度は、宅建業者が保証協会の社員となる前に発生した債権も、保証範囲に含まれるよ。これかなり重要!

▷ 弁済業務保証金制度

B制度では、東京法務局に保証金を供託しているのは保証協会。弁済業務保証金の取戻ができるのは保証協会だよ~。

保証協会が、弁済業務保証金を取戻するときも、公告が必要…。認証の申出をする債権者は居ませんか?ってことね。

宅建業者が弁済業務保証金を取戻することができないね。供託したのは保証協会だから。

宅建業者が、弁済業務保証金分担金を、保証協会から返してもらえるかは知らない…。興味がある人は調べてみてね。

コレ覚えてね!( 12 )

( B制度:弁済業務保証金制度 ) 取戻事由

・保証協会の社員の地位喪失 ・事務所の一部廃止

まとめ

宅建業免許を取得した宅建業者は、保証金を供託所に供託届出してから、営業開始だよ~。

誰が、どこに、いくら、保証金を供託しなきゃいけないかと、還付手続と取戻手続の流れを把握しないとね。

納付者宅建業者宅建業者保証協会
納付先営業保証金
供託所
保証金分担金
保証協会
弁済業務保証金
東京法務局
金額本店:1000万円
支店: 500万円
本店:60万円
支店:30万円
本店:60万円
支店:30万円
方法金銭か有価証券金銭のみ金銭か有価証券

営業保証金制度をA制度弁済業務保証金制度をB制度って呼んでたけど、テスト前には覚えないとね。

還付手続きの流れは複雑だから、図をイメージすると良いよ。通知とか、○○週間以内とか書き込んでね!

営業保証金の供託に関して、営業停止処分や免許取消処分になるケースは結構多いよ。興味があったら検索してみてね。

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