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今回は宅建業法12/15回目、テーマは契約書です。
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ご活用頂ければ幸いです。ゆるふわ宅建士
契約書
今回は、契約書について解説するよ。宅建業者は、宅地又は建物の売買・交換・貸借契約を成立させたとき、契約書を作成!
売買なら売買契約書、賃貸なら賃貸借契約書。契約書には、宅建士が記名・押印しなきゃダメだね。
重要事項説明書と契約書に記名・押印する宅建士は、同じ人じゃなくても良いよ。それから、契約書は説明しなくてもOK。
契約に複数の宅建業者が関与したときは、その内の1社が契約書を作成して、全ての宅建業者の宅建士が記名・押印だからね。
契約書は、契約の当事者に交付しなきゃダメだよ~。宅建業者間の契約でも、契約書の交付を省略できないからね。
宅建業者が売主なら、買主に売買契約書を交付、宅建業者が買主なら、売主に売買契約書を交付だね。
売買契約を代理・媒介したときは、売主と買主の両方に、賃貸借契約を代理・媒介したときは、貸主と借主の両方に渡さなきゃ!
・媒介契約書( 34条書面 )
・重要事項説明書( 35条書面 )
・契約書( 37条書面 )
契約書 記載事項
契約書には、絶対的記載事項と相対的記載事項があるよ。毎年テストに出題されるから、頑張って覚えてね~。
絶対的記載事項は、契約書に必ず記載しなきゃダメなこと。相対的記載事項は、なんかイメージしにくいね…。
相対的記載事項は、当事者間で定めがあれば、契約書に必ず記載しなきゃダメなことだよ。
( 絶対的記載事項 ) 必ず記載
( 相対的記載事項 ) 定めがあれば、必ず記載
絶対的記載事項は必ず記載。相対的記載事項は、当事者間で取り決めをしたときだけ、必ず記載…。
例えば、違約金は相対的記載事項だよ。だから、違約金を0円と定めたときは、違約金0円と必ず記載しなきゃダメ。
違約金に関して、定めなしって定めた場合は、違約金の定めなしって必ず記載しなきゃダメなんだよ。日本語難しいよね(笑)
そもそも取り決めしなかったら、記載しなくてもOK。取り決めしたなら、0円とか定めなしとかでも、必ず記載しなきゃダメ!
契約書 絶対的記載事項
売買契約書と賃貸借契約書の、絶対的記載事項から解説するよ~。表に整理して覚えてね。
売買契約書 | 賃貸契約書 | ||
① | 契約当事者の住所・氏名 | ◎ | ◎ |
② | 宅地・建物を特定するための表示 | ◎ | ◎ |
③ | 代金・借賃の額、支払時期、支払方法 | ◎ | ◎ |
④ | 引渡しの時期 | ◎ | ◎ |
⑤ | 移転登記の申請時期 | ◎ | ✕ |
⑥ | インスペクション | ◎ | ✕ |
売買契約って何…?賃貸借契約って何…?ってところから進めると分かりやすいと思うよ。まずは売買契約から!
( 売買契約 )
売主が目的物の財産権を完全に移転し、買主が代金を支払う
▷ 契約当事者の住所・氏名
当事者が特定されてないと、売買契約になりませんね~。売買契約の当事者は、売主と買主だよ。
同姓同名の人も居るかもしれないね。当事者を記載するときは、住所と氏名がセット!
法人の場合は、商号と所在地、それから代表取締役○○まで記載するんだよ。
▷ 宅地・建物を特定するための表示
目的物が特定されてないと、売買契約にならないね!だから、目的物となる宅地・建物を特定するための表示を必ず記載。
建物だったら、所在・家屋番号・種類・床面積・構造かな。特定できなきゃ意味ないからね。どの物件買ったの?はダメ。
▷ 代金・借賃の額、支払時期、支払方法
買主が代金を支払う、これが売買契約だからね。だから、代金の額、支払時期、支払方法が、絶対的記載事項なんだよ。
買主は代金を払うんだから、いくら?いつ?どうやって?は絶対書いてないと困るよね。
▷ 引渡しの時期
もう一度よく見てね。財産権を完全に移転するのが、売買契約だよ。だから、物件の引渡しの時期が絶対的記載事項。
( 売買契約 )
売主が目的物の財産権を完全に移転し、買主が代金を支払う
物件の引渡し日は○月○日とするとか、買主が代金全額を支払ったときに物件を引渡すとかってことだね!
▷ 移転登記の申請時期
不動産の売買契約では、物件の引渡し&所有権移転登記によって、財産権を完全に移転したことになるよ。
移転登記の申請時期だからね!買主が代金全額を支払ったときに、移転登記の申請します、みたいな感じ。
売買契約した段階じゃ、○月○日に移転登記するって決められないね。買主がちゃんと代金全額を払ってくれるか分からないから。
④ 引渡しの時期と、⑤ 移転登記の申請時期はテストに出そうだね~。セットで覚えるよ!
▷ インスペクション
最後6つ目が、インスペクション。「 建物状況調査 」・「 住宅診断 」で、比較的新しいルールだよ。
ごめんね、何でここに居るかは分からない(笑)興味ある人は、インターネットで調べてみてね。
良く分からないけど、売買契約書の絶対的記載事項の6つ目に、インスペクションがあるって覚えとくよ。
賃貸借契約書の絶対的記載事項も、同じように覚えると良いよ。まずは、賃貸借契約って何ってところから。
( 賃貸借契約 )
貸主が有償で目的物を引渡し、借主が契約終了時に返還する
賃貸借契約の当事者は、貸主と借主だね。目的物となる不動産を特定するための表示は絶対必要!
賃貸借契約は有償。つまり、借主は貸主に対して、借賃( 家賃 )を払わないとダメってことだよ~。
借主は家賃を払うんだから、いくら?いつ?どうやって払うの?は絶対書いてなきゃダメ!
目的物を引渡すのが賃貸借契約だから、引渡しの時期は絶対記載!いつから使えるか書いてないと困るよね。
契約書の絶対的記載事項は、そんなに難しくないね。④ 引渡しの時期と、⑤ 移転登記の申請時期に気を付けてないと。
売買契約書 | 賃貸契約書 | ||
① | 契約当事者の住所・氏名 | ◎ | ◎ |
② | 宅地・建物を特定するための表示 | ◎ | ◎ |
③ | 代金・借賃の額、支払時期、支払方法 | ◎ | ◎ |
④ | 引渡しの時期 | ◎ | ◎ |
⑤ | 移転登記の申請時期 | ◎ | ✕ |
⑥ | インスペクション | ◎ | ✕ |
契約書 相対的記載事項
次は、契約書の相対的記載事項だね。定めがあれば必ず記載って表現には、慣れるしかないかなぁ~。
( 絶対的記載事項 ) 必ず記載
( 相対的記載事項 ) 定めがあれば、必ず記載
売買契約書 | 賃貸契約書 | ||
① | 代金・借賃以外の金銭の額、目的 | ○ | ○ |
② | 代金・借賃以外の金銭の支払時期 | ○ | ○ |
③ | 契約の解除 | ○ | ○ |
④ | 損害賠償の予定・違約金 | ○ | ○ |
⑤ | 危険負担 | ○ | ○ |
⑥ | 金銭の貸借のあっせん | ○ | ✕ |
⑦ | 租税等の公租公課 | ○ | ✕ |
⑧ | 契約不適合責任についての特約 | ○ | ✕ |
⑨ | 契約不適合責任の履行の確保等の措置 | ○ | ✕ |
~については、定めがあれば、契約書に記載しなければならない、○か✕かって形で出題されるよ。
表の左側に注意だね。これが出てきたら、契約書の相対的記載事項って反応せねば…。
▷ 代金・借賃以外の金銭の額、目的
売買契約は代金、賃貸借契約は借賃が構成要素なので、絶対的記載事項でしたね~。
代金以外・借賃以外は、相対的記載事項だよ。取り決めしてなくても、売買契約・賃貸借契約は無事に成立するからね。
マンションの売買契約だと、管理費や修繕積立金の清算金、賃貸借契約だと、敷金・礼金・更新料とかかな。
当事者間で取り決めをしたら契約書に必ず記載、取り決めしなかったら、契約書に記載しなくてOKってことだね!
0円と、取り決めしなかったこと、定めないと取り決めをしたことは違うからね~。
会議の議題にあがったけど、保留に決定した場合と、そもそも議題にあがらなかった場合では、全然違うってことかな。
契約自由の原則があるからね。契約の構成要素以外は、当事者同士で、好きに決めて良いし、別に決めなくても良いんだよ。
決めないことに決めたってことは、決めたってことだね(笑)定めありだから、契約書に必ず記載しなきゃ。
▷ 代金・借賃以外の金銭の支払時期
代金・借賃以外の金銭の支払時期も、相対的記載事項だよ。定めがある場合は、契約書に必ず記載!
契約書 | 重 説 | ||
① | 代金・借賃の額、支払時期、支払方法 | ◎ | ✕ |
② | 代金・借賃以外の金銭の額、目的 | ○ | 〇 |
③ | 代金・借賃以外の金銭の支払時期 | ○ | ✕ |
これは…。テストに出題されたら、たぶん失点するね。出題されないことを祈ります。
URであーるのCMを思い出しながら覚えてみるよ。礼金ナシ♪ナシ♪仲介手数料もナシ♪ナシ♪だから初期費用が浮く!
URは、都市再生機構だね。建業免許は不要で、宅建業法も適用されない、国・地方公共団体と同じグループ。
▷ 契約の解除
売買も賃貸借も、契約の解除について取り決めをした場合は、契約書に必ず記載だよ~。
・売主は買主に受領済の手付金の倍額を支払い、買主は売主に支払済みの手付金を放棄して
それぞれその契約を解除することができる。
・相手方がこの契約の履行に着手したとき、標記記載の手付解除の期限を経過したときは、
契約を解除することができないものとする。
宅建業法が売主・宅建業者じゃない人が買主となる売買契約は、手付金は売買代金の20%以内だったね。
マイホームの買い換えのときは、前の物件が売れないと、この売買契約は解除できますって取り決めにしとかなきゃ。
▷ 損害賠償の予定・違約金
売買も賃貸借も、契約の損害賠償の予定・違約金について取り決めをした場合は、契約書に必ず記載だね。
・売主又は買主がこの契約に定める債務を履行しないとき、相手方は、自己の債務の履行を
提供し、相当の期間を定めて催告した上で、契約を解除することができる。
・契約解除に伴う損害賠償は、標記記載の400万円( 売買代金の20%相当額 )とする。
宅建業者である売主は、宅建業者じゃない買主に対して、売買代金の20%を超える損害賠償の予定額を設定しちゃダメ。
▷ 危険負担
売買も賃貸借も、危険負担について取り決めをした場合は、契約書に必ず記載だよ~。
・本物件引渡し前に、天災地変その他、売主又は買主のいずれの責にも帰すことができない
事由によって本物件が滅失したときは、買主はこの契約を解除することができる。
契約後、引渡しまでの間に、不可抗力で物件が滅失・毀損しちゃった場合はどうします?の取り決めかな。
▷ 金銭の貸借のあっせん
売買契約は、金銭の貸借のあっせんについて取り決めをしたら、それが成立しない場合の措置を、売買契約書に必ず記載だよ。
宅建業者は、ローンを組んで物件を購入する買主に、提携している金融機関を紹介( あっせん )してくれることが多いよ~。
融資承認予定日までに、融資の全額又は一部について承認を得られないときは、本売買契約は自動的に解除となる。
ローンが成立しないときの措置だね。これがないと、融資が下りなくても、買主は契約解除できないってことかな。
金融機関からの融資がないと、物件購入の残代金を払えないよね。契約違反で損害賠償!ってなるよ、たぶん。
▷ 租税等の公租公課
売買契約は、公租公課の負担ついて取り決めをした場合は、売買契約書に必ず記載だよ~。
公租公課は、通常、固定資産税・都市計画税のことを指すよ。1月1日時点の所有者に、課税されるシステムだね。
・2022年度の公租・公課の起算日は、2022年4月1日とする。
・本物件に対して賦課される公租・公課は、引渡し日のまでの分を売主が、引渡し日以降の
分を買主がそれぞれ負担し、残代金支払い時に清算する。
1月1日時点の売主が1年分払ってるから、買主は引渡し日以降の日割り分を、売主に払ってねってことかな。
公租公課の起算日は、関東は1月1日、関西は4月1日が多いよ。慣習ってヤツだね~。
▷ 契約不適合責任の特約
売買契約は、契約不適合責任の特約ついて取り決めをした場合は、売買契約書に必ず記載だよ~。
民法では、買主は契約不適合を知った日から、1年以内に売主に通知すれば、責任を追及できる…。
宅建業者が売主、宅建業者でない人が買主のときは、通知期間を引渡し日から2年にできる…。2年以上の日だったね。
他のセクションとのつながりが重要だから、適度に復習しないとダメだよ~。気が向いたら練習問題チャレンジしてね。
▷ 契約不適合責任の履行の確保等の措置
売買契約は、契約不適合責任の履行の確保等の措置ついて取り決めをした場合は、売買契約書に必ず記載だよ~。
契約書の相対的記載事項は、定めがあれば必ず記載、定めがなければ記載しなくてもOK。
実務では、ほぼ取り決めされるからね。契約書には、まず間違いなく記載されるって考えて良いと思うよ(笑)
⑥・⑦・⑧・⑨は、売買契約は〇、賃貸借契約は✕。なんとなく感覚で分かるような気がする!
売買契約書 | 賃貸契約書 | ||
① | 代金・借賃以外の金銭の額、目的 | ○ | ○ |
② | 代金・借賃以外の金銭の支払時期 | ○ | ○ |
③ | 契約の解除 | ○ | ○ |
④ | 損害賠償の予定・違約金 | ○ | ○ |
⑤ | 危険負担 | ○ | ○ |
⑥ | 金銭の貸借のあっせん | ○ | ✕ |
⑦ | 租税等の公租公課 | ○ | ✕ |
⑧ | 契約不適合責任についての特約 | ○ | ✕ |
⑨ | 契約不適合責任の履行の確保等の措置 | ○ | ✕ |
媒介契約書( 34条書面 )・重要事項説明書( 35条書面 )・契約書( 37条書面 )は、三大書面と呼ばれ、非常に重要です~。